フレンチプレスの正しいフォームとよくある間違い
フレンチプレスは、肘の軌道がたった2センチずれるだけで上腕三頭筋を鍛える種目から肘の炎症を引き起こす種目に変わってしまう、非常にシビアな種目です。肩や手首ではなく、きちんと三頭筋に効かせるバーの下ろし方を解説します。
肘が開いてしまう原因と直し方
フレンチプレスでよくある問題は、バーを下ろすときに肘が徐々に外側へ開いてしまい、負荷が三頭筋から前部三角筋へ逃げてしまうことです。原因は主に2つ。肩関節の安定性が不足していることと、重すぎる重量を体が無意識に他の筋肉で補おうとすることです。 正しい角度は、肘先が真上を向いた状態(上級者は頭側に5〜10度程度の傾きもOK)。動作中、肘同士の間隔は常に一定に保ちます。本セットの前に、シャフトのみで1〜2セットのウォームアップを行い、鏡で自分の肘を確認しながら動かすと、正しい軌道を素早く体に覚え込ませられます。
EZバー・ストレートバー・ダンベル、手首に合うのはどれ?
EZバー(波型バー)は手首を自然な角度に保てるため、負担を最大30%軽減できます。ほとんどの人にはこれが基本の選択肢です。ストレートバーは肘をよりしっかり固定できますが、前腕の可動域が十分でないと毎回のレップで手首に違和感が出やすくなります。 ダンベルは中上級者向け。左右独立して動かせるため左右の三頭筋の力の差が分かりやすい反面、追い込んだレップでコントロールを失いやすいというリスクもあります。初心者はまずEZバーで最低4〜6週間練習してから、ストレートバーに移行するのがおすすめです。
バーはどこまで下ろす?額・頭の後ろ・頭上の違い
定番は額の前後、または頭の後ろまで下ろすやり方。上腕三頭筋の長頭を最も大きく伸ばせますが、勢いよく下ろすと肘関節への負担が最大になりやすいのが難点です。 頭の真上まで垂直に下ろすやり方は肘への負担が少なく、従来の方法で関節に「カクッ」という違和感を感じる人に向いています。過去に肘のトラブルがある場合は、このやり方+可動域を狭めた(完全に伸ばしきらない)フォームから始めましょう。
ネガティブ動作のスピード ― ケガの落とし穴
フレンチプレスのケガの9割は挙げる動作ではなく、下ろす動作で起きています。筋肉でコントロールせず重力任せにバーを落とし、最下点で急ブレーキをかけてしまうことで、関節が最も無防備な伸展位置に瞬間的な高負荷がかかるのです。 正しいテンポは、下ろすのに3秒、最下点で肘の力を抜かず0.5〜1秒静止、挙げるのは反動を使わず1〜1.5秒。ネガティブ動作をコントロールできない場合は重量が重すぎるサインなので、20〜30%落としてフォーム重視で練習しましょう。
よくある間違いTOP5とその理由
1)肘が外側に開く:負荷が三頭筋から胸や肩に逃げてしまう。2)腰が反ってお尻が浮く:体幹の弱さを補おうとして腰への負担が増える。3)トップで完全に伸ばしきらない:三頭筋の収縮が不十分になり、効果が30〜40%落ちる。4)初回セットからいきなり重すぎる重量:初心者の肘のケガの最大要因。5)最下点での急な反動:ベンチプレスと同じ「バウンド」現象だが、こちらの方が関節への負担がずっと大きい。 2つ以上心当たりがある人は、重量を増やすのは後回しにしましょう。まずは軽い重量で2〜3回のトレーニングを通してフォームを固めることが先決です。
1週間のプログラム例
三頭筋トレーニングとして週1〜2回取り入れるのがおすすめ。フレンチプレスは、ベンチプレスやディップスなどベーシック種目の後、2〜3種目目に配置しましょう
- • ベンチプレス 4×8
- • ダンベルフライ 3×10
- • EZバーライイングトライセップスエクステンション 4×10
- • ケーブルプレスダウン 3×12
- • ダンベルショルダープレス 4×8
- • サイドレイズ 3×12
- • ダンベルフレンチプレス(片手交互)3×10
- • ダンベルオーバーヘッドトライセップスエクステンション 3×12
- • シーテッドオーバーヘッドトライセップスエクステンション 4×10
- • ディップス 3×10
- • リバースグリップケーブルプレスダウン 3×12
- • ダンベルキックバック 3×15
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